絶歌、完読

暫く、長編の小説を掛け持ちで読まなくなっていたので。

読書スピードが、極端に遅くなってしまった感あります。

以前は、図書館から最低でも5冊の小説と5冊のエッセイ本を借りてきて。

2週間で読み終えていたペースが、すっかり鈍って。

まあ、この本は告白本でもあるので。

心理を読み解きたい意図が強く、ゆっくり考えながら

想像しながら読み進めたから、とも言うのだけれど。

アマゾン書評では、あらゆる酷評が書かれていましたが。

私は、それほど否定的ではなく、読んで良かったかな、と感じています。

世の中が忌み嫌う犯罪者の手記ではあるけれど。

私の知らない、あちら側の世界の思考や思い、行動心理みたいな

色んな勉強が出来るとは思う。

この様な勉強、気づきも、これからの世の中を生きる子ども達と関わる人達には

必要なのじゃないかなと私は感じます。

まず、この本の文章は全てが本心では無い、と云う違和感。

少年Aの主観で、都合よく書き換えられた、または脚色された感も感じます。

けれど、彼の感覚や感情部分の発達障害も感じる。

デジタル世代の闇の部分、バーチャルな世界感や感覚で生きて居る危うさ。

ゲーム世代のど真ん中、実体験の欠損による全能感の怖さを感じます。

ネコを連続殺傷する場面は、確かに気分が悪くなるし、吐き気を催すとの書評も頷けます。

けれど特異な性質もありながら、まるでモンスターと云う感じよりも。

ある部分は、彼の思考傾向に私と似た箇所も、見受けられる。

彼の善悪や判断の基準は、親や教師、周りの人間に左右されるコト無く。

自分の内部から、湧き上がった感覚によって判断しているところ。

私自身の善悪や判断の基準も、誰かに教えられたり、押し付けられた価値感を取り入れず。

自分独自の学びや経験によって、判断している部分が大半です。

けれど、決定的に違っているのは。

彼の場合は、思考は内側の狭い世界で行われているのに、行動や反動は外へ向かっているところ。

私の場合は、思考も行動も反動も全てが、内側へ向かって深く、より深く入っていくので。

人に対する言動には表れず、精神的な苦悩や体調不良に現れてくるので。

自家中毒にすらなり、他人に向かうどころか、

他人をシャットアウトして自分の中から締め出してしまう、

つまり孤独な空間と孤独な心境を好む傾向が、強いです。

これはパーソナリティーの違いでもあり、どっちがいいとも言い切れないのだけれど。

この違いが、殺人に走るか自殺に走るかの違いにはなるんじゃないのかな

他人さえ居なければ、と感じるか

自分さえ居なければ、と感じるか

どっちも病理では、あると思う。

それから、彼の文章について。

物凄くボキャブラリーが多い、とは思うのだけれど。

いかんせん、中学の年齢から少年院に入り、学校に行っていない環境ゆえに。

社会性や実体験、対人の数をこなしていない、彼の言語能力は

閉鎖的な環境の中で、書籍のみで養われた日本語だからなのか。

語彙の用い方や、例えや表現、単語の使い方に、違和感を感じます。

書籍で覚えた単語を、片っ端から使っている感が否めない。

自分の世界だけで、淡とした作業を好む傾向は、自閉症の特徴にも似て。

他人との共感や想像力が、極端に欠損している感じもする。

自分の内側に、踏み込まれたくない、他人のテリトリーにも踏み込みたくない感覚も

自閉症的だなぁ、と感じるのは。

それほど強くなくても、私にもそう云う傾向があると自覚しているからなのだけれど。

もの凄く頭がいい、とも感じるのだけれど、同時に

とても幼い、とも感じる。

ここが発達障害の特徴でもある、バランスの悪さだと感じます。

21歳の頃に、高校生に見えると言われている場面を見て。

あぁ私もだ、と共通性を感じる。

20歳の頃に、中学生と間違われたり。

その後の、どの年齢になっても、実年齢より低く見られて。

それは若いと言うよりも、幼く見えてしまう、発達してない感なんだと解っている。

私の場合は、ACと云う、酒乱な父とヒステリーな母、両親からの虐待によって

子供時代の子供らしさを奪われたが故の、発達障害なのだけれど。

彼の発達障害の原因が、この本からは判別出来ない。

どんな風に、何を思って育ったかがスッポリ抜けているのは、何故なんだろう

そこが一番に、知りたい部分なんだけれどなぁ。

家庭と云う閉鎖的で、外からは見えない部分を、暴き出すのは。

本人しか居ないとも思うし。

どんな環境にせよ、本人がどんな風に感じていたかとらえていたかは重要だと思う。

この本、読んでしまうと。

別の方向から見た、鑑定や診断も読みたくなりますね。

専門家や、その他の意見を知りたいですね。

更に別の視点の書籍を、探そうと思います。

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